トップページWIN5攻略WIN5馬券的中の秘訣

WIN5を的中させるために覚えておくべき3つのポイント

発売開始から1年あまりが経過し、WIN5に対する競馬ファンのイメージは大方固まってきました。もっとも、念願叶って高額配当を手にしたファンはまだごくわずか。あくまでも個人的な印象ですが、WIN5があまりにも特殊な式別である分、研究の進んでいるファンとそうでないファンの間に大きな差がついてしまっているように思います。放っておくとさらに差が広がっていくでしょうし、取り組み方を修正するなら今のうち。過去のWIN5をデータとともに振り返って、儲けるためのポイントをいま一度整理しましょう。
※以下、2012年6月24日までに発売された計63回のWIN5が集計対象


攻略ポイント[1] 『迷わず、焦らず、あきらめず』

過去63回の配当から単純に平均値を求めると約2072万8910円。もっとも「WIN5は平均で2千万円くらいの配当になる馬券」というイメージを持っている方はほとんどいないでしょう。そもそも配当が2千万円を超えたのは63回中13回だけですし、上は2億円から下は1万3720円と大きなバラつきがあるので、単純平均では正確なイメージを表現できません。

では、配当の分布で表すとどうなるでしょうか。

◆配当と出現回数
配当 出現回数
1億円以上+的中者なし  6回 10%
1千万円以上1億円未満 14回 22%
百万円以上1千万円未満 20回 32%
十万円以上百万円未満 17回 27%
十万円未満  6回 10%
合計 63回 100%

大雑把な区切り方ですが、ちょうど「百万円以上1千万円未満」のゾーンを中心にバランスの取れた分布となっていますね。1億円を超える配当や十万円を切る配当はそれぞれ全体の1割程度で、残る8割のうち比較的多いのが数十万~数百万円くらいの配当。こうした傾向を見る限り、WIN5の“平均的な配当”は数百万円くらいとイメージしておくのが妥当なんじゃないかと思います。

ちなみに、過去63回の配当における中央値は177万1770円です。やはり、WIN5への取り組み方や馬券作戦を検討する際はこれくらいの配当を念頭に置くべきなのでしょう。

的中したときの配当を177万円くらいと仮定するなら、1回あたり1万円ずつ買っていても、177回に1回の割合で当てれば回収率は100%になる計算。年間に発売されるWIN5は50回ちょっとですから、3年に1回くらいの頻度で的中させれば上々ということになります。1回あたりの投資額が3千円くらいなら、それこそ10年に1回くらいの的中でもトータルの成績はプラスになるはず。2~3年に1度くらいの頻度で当てられる予想能力があれば大儲けできるでしょう。

もちろん、この計算は「177万円くらいになる目を狙う」という前提に基づいたものですが、それでもWIN5攻略にはこれくらい余裕のあるスケジュール感を持って臨みたいもの。数ヶ月や1年程度の連続不的中に心を折られたり、的中を焦って購入金額を増やしてしまうようでは大きく儲けられません。


攻略ポイント[2] 『総出走頭数から波乱度を見極める』

WIN5ならではの特徴であり、なおかつ案外見落とされがちなのが「回によって組み合わせ総数が大きく異なる」という点です。これまでのWIN5でもっとも総組み合わせ数が多かった回は、トーセンジョーダンが制した天皇賞(秋)当日の2011月10月30日。この回は対象5レースに計85頭が出走し、総組み合わせ数が141万48通りまで膨れ上がりました。

一方、もっとも少なかった回はダークシャドウが勝った毎日王冠当日の2011年10月9日。こちらは対象5レースの合計出走頭数が57頭止まりで、総組み合わせ数も16万6320通りに過ぎません。前者は後者のおよそ8.5倍。3連単と3連複の差が6倍であることを考えると、多い回と少ない回の差がどれだけ大きなものかお分かりいただけるでしょう。3連複と3連単に同じような配当を期待している方はまずいませんし、投資総額や1点あたりの金額だって大きく変わってくるはず。WIN5も本来そうあるべきで、買い方や心構えを柔軟に変えていかなければなりません。

一般的に、馬券の平均的な配当は出走頭数≒総組み合わせ数が多ければ多いほど高くなるもの。当然、WIN5にも同様の傾向があります。各回の総出走頭数と、配当が百万円を超えた回(+的中者なしだった回)の割合は下記の通りです。

◆総出走頭数と配当が百万円を超えた回の割合
総出走頭数 該当回 百万円超え 百万円超えの割合
65頭以下 13回  4回 22%
66~75頭 27回 17回 63%
76頭以上 23回 19回 83%

総出走頭数が65頭以下だった回は100万円を切る配当が8割近く、76頭以上だった回は100万円超の配当が8割以上と、対照的な傾向になっています。

総出走頭数が65頭以下だった最新回は2012年6月17日で、この日の配当は9万8440円。一方、総出走頭数が76頭以上だった最新回は2012年5月27日で、この日の配当は100万円の大台こそ割り込んだものの、79万5840円でした。ちなみに、2012年6月17日の優勝馬は単勝オッズが2.8倍→2.5倍→6.7倍→2.3倍→5.2倍、2012年5月27日の優勝馬は単勝オッズが5.4倍→2.1倍→8.6倍→3.0倍→8.5倍。後者の方が若干荒れているとはいえ、最終的な配当が約8倍も変わってくるほどの差ではありません。こうした例を見る限り、配当の絶対値だけでなく、その配当に妙味があるか否かという点においても、少頭数よりは多頭数の方が有利と言えそう。少頭数の回に臨む場合は普段よりも点数を減らすなど、立ち回りを細かく変えていく必要があります。


攻略ポイント[3] 『人気薄を1~2頭絡めるのがベスト』

各回の結果を「単勝1番人気馬の勝利数」で分類・集計したところ、下記のような結果になりました。

◆各回の対象レースにおける単勝1番人気馬の勝利数
勝利数 出現回数
0勝 10回 16%
1勝 21回 33%
2勝 19回 30%
3勝  7回 11%
4勝  6回 10%
5勝  0回  0%
合計 63回 100%

皆さんもご存知の通り、すべてのレースを単勝1番人気が制した回はまだありません。もっとも、JRAのレースにおける単勝1番人気馬の勝率は概ね30%程度で、勝率30%の馬が5連勝する確率は理論上0.243%しかありませんから、およそ412回に1回の割合。WIN5はまだ63回しか発売されていないので、発生していない方が自然です。

5戦全勝どころか、単勝1番人気馬が3勝以上した回も全体の2割程度。残る約8割の回では2勝以下に終わっています。単勝1番人気馬が3レース以上も絡む組番は配当も知れていますし、長期的な回収率を考えるなら、こうした組番をできるだけ避けるように心掛けるべきでしょう。

逆に、配当を跳ね上げてくれるような人気薄が勝つ確率はどれくらいなのでしょうか? 「人気薄」をどう定義するかによっても変わってきますが、とりあえず「単勝5番人気以下だった馬の勝利数」で分類・集計すると下記のような結果になりました。

◆単勝5番人気以下だった馬の勝利数
勝利数 出現回数
0勝 12回 19%
1勝 24回 38%
2勝 21回 33%
3勝  5回  8%
4勝  0回  0%
5勝  1回  2%
合計 63回 100%

単勝5番人気以下の伏兵がひとつも勝てなかった回は全体の2割弱。しかしその一方で、3レース以上勝った回も全体の1割程度しかありません。こうした傾向を考えると、「人気薄がひとつも絡んでいない組番」「3レース以上で人気薄を買っている組番」はそれぞれ避けた方が良さそう。そもそも前者は配当が低過ぎますし、後者も手頃な点数や頻度で的中させるのは至難の業です。「堅そうなレースと荒れそうなレースを予め見極める」「複数パターンの買い目を作って投票する」などといった具合に、無駄な買い目を省くような工夫を凝らすべきだと思います。

■執筆者プロフィール 伊吹 雅也(いぶき・まさや)
埼玉県桶川市在住のフリーライター、コピーライター、競馬評論家。的確でわかりやすいデータ分析に定評があり、現在は『JRAホームページ』内「今週の注目レース」で“データ分析”のコーナーを担当しているほか、さまざまなメディアに活躍の場を広げている。競走馬への一口出資やペーパーオーナーゲーム(POG)などにも造詣が深く、昨春からはWIN5研究の第一人者としてもお馴染みに。初めて事前にWIN5の買い目を公表した2012年2月5日のイベント『オープン型レーシングセミナー』(東京競馬場)では、わずか28通りの少点数ながらも22万3200円の好配当を的中させた。近著に『門外不出! 投票データから分かった! WIN5の鋭い買い方』(東邦出版)、『WIN5(五重勝)ほど儲かる馬券はない!! 少点数で驚愕配当をモノにする絶対的セオリー(競馬王新書)』(白夜書房)。